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昭和31年浦安航空写真
浦安市郷土博物館資料
浦安市郷土博物館資料
「海苔のできるまで」より
カキ礁は何年前からあるのか

※あくまでも長年この海を見てきた漁師の見解です
最近、三番瀬の「カキ礁」が話題となりました。
新聞・テレビでは「数十年〜百年近く前から存在する」と報道されていますが、果たして本当なんでしょうか。
 
まず、カキ礁がある場所は昭和31年の航空写真(資料1)で見ると海苔養殖場であることがわかります。長方形の黒い物が多数ありますが、これが海苔養殖の網です。カキ礁の場所が昭和31年の時点で海苔養殖場であることは、カキ礁が百年前からあるという事は完全に否定されます。
浦安市の当代島・北栄・猫実・堀江・富士見以外は全て埋立地です。カキ礁は入船と日の出の間より少し下です。(資料1参照) かつてこの地は「蠣内(かきうち)」と呼ばれた海苔養殖場です。(資料2参照) 文字通り牡蠣が発生しやすく海苔網に牡蠣がつかないように付着しては捨ての繰り返しでした。当然今のような泥状の底質ではなく硬く、あさりやハマグリが生息しておりました。埋め立てが進み、市川市の福栄に下水処理場が出来、猫実川を経由して三番瀬に排水されます。この排水に含まれる塩素の影響により、底質が泥状に柔らかくなりました。
三番瀬の水質浄化には干潟を作り水流を良くする事が大事なことであります。
 
猫実川河口は数年前まで不法係留が多く沈没船が多くありました。この漁場で60年漁師をしている父が言うには、10年前にはカキ礁は存在せず、沈没船が柔らかい底質に埋まり、その上に牡蠣が付着したのではないかと言います。
「カキ礁」と呼ばれて注目されていますが、これは単なるカキの付着ではないでしょうか。
港や護岸(崩落の恐れがあるので立入禁止)には無数のカキが付着しています。牡蠣の繁殖力は強く「カキ礁」はそれと同じものです。
 
カキ礁に関してテレビ・新聞等で大げさに報道しすぎているように思えるのは私だけでしょうか。
これだけ埋め立て・排水をした歴史がある中、今頃になって自然が・・・と言うのは何なんでしょうか。
(資料1)
(資料2)
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埋立地
 
埋立地
昭和31年当時
地と海
境界(青線)
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生産量が少ない理由
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